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風見鶏の寝言039

文理の境界」



日本では、高校生活も半ばになる頃、だいたい文系か理系か、進む道の選択を迫られる

そのとき、文理が、各どのような教科を含むのか悩む者は少ない

当然、

文系:国語・英語・社会

理系:数学・英語・理科



を基礎として、大学によってはさらに科目が必要になるという構造である




しかし、総合系の大学で多数ある学部を見渡したとき、この学部が文系か理系かと言われたら、全て截然(せつぜん)と分けることができるだろうか?

近時は、新設学部や発展途上の学部が新規登場し、高校のときのような「英・数・国・理・社」の分類法ではどこに入れて良いのか、わからないものが出てきている

すると、そもそも文系と理系の境界は何を基準に判断するのか?


1、数式を使うか否か

これは、中高の文理の区別では大いに納得できそうな基準であり、まずこの発想が出てくる者は多い

ところが、大学で明確に文系に位置づけられる経済学は、数学が必修科目に指定されることもしばしばで、数式を使うことが必須になっている

逆に医学部や生物学部は、必ずしも数式を使うとも限らない。

数式の利用有無では区別は難しいと言わざるを得ない


2、仮説→実験→考察→反映のサイクルがあるか否か

これも、中高物理や化学で実験レポートに苦しまされた者にとっては、実に納得できそうな基準である

だが、このサイクル自体は、文系学問分野でも当然使っており、その実験のために大がかりな装置を使っていないというだけである

経済学でも、統計をとり、打ち立てた数式(仮説)が妥当しているか実験と考察は行う

社会学でも、仮説の生成または検証のためにアンケートをとってデータを採取する

すると、これも基準としては不足である


では、何か手がかりは無いか?

学問分野の分類用語として、社会科学・人文科学・自然科学という言葉がある

そして、前2者が文系、自然科学が理系に当たる

社会や人文とは、どちらも「人間」の社会生活により生み出される現象の一部にあたる

つまり、研究対象が「人間」(生物学的「ホモサピエンス・リンネ」ではない)としての営み・その生成物であるものを「文系」と呼び、研究対象が(「ホモサピエンス・リンネ」も含めて)「自然界に存在する原理・自然の摂理」の解明にあるものを「理系」と呼ぶようである

医学部は人体を相手にすることもあるが、それは自然の摂理としての、生理的現象や生体の構造・仕組みを解明することに目的があるのであって、社会的地位や経済的地位には一切興味はない



経済学部は、同じく人を相手にするが、それは人間様が生み出して世に放った社会・経済・市場・株式等「人間の営みとその生成物」に何か再現可能性のある規則や仕組み・構造があるのかを解明することに目的があるのであって、自然の一部としての人間を解明しているわけではない



法学部は、中高ではほとんど現れず、大学で突如として大きく登場する謎分野である。だが、これも研究の対象は、世界を人間様の足下に統率できると思い込んだ昔の人々が作り出した、法律なる「人間の営みの生成物」であり、今尚種々の人間様の都合によって世に送り出され続ける無数の条文の矛盾衝突を、謂わば交通整理することにある。



同様に、文学部、政治学部、商学部、教育学部、家政学部が文系に、物理・化学・数学は勿論ながら、薬学部・看護学部等が理系に、分類されるのは納得できよう


ならば、この基準は万能か?

近時の学部増設は、そもそも文理の振り分けをする必要のない横断的学部が登場している気がする

総合政策学部などはその例かもしれない。

そして、伝統的に存在していた学部においても、農学・工学・心理学等は、際どい位置である

農学部は、イネという植物の植生・生態と品種改良のみに注目すれば自然科学だが、農業という人間様の社会的行動ないし人間関係に注目すれば社会科学になりうるものである



工学部も、素材の力学的・化学的法則等を応用する点に注目すれば自然科学の一部として理系だが、人間様の社会における企業のニーズに応じることを重視すれば、次第に社会化学に傾いていく




すると、文理の基準は、どんなに概念上は明確なものであっても、各学問分野自体が複数の側面を持つことがある以上は、全てを仕分けし尽くせるわけではないのかもしれない

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