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風見鶏の寝言055

「血の繋がり」




先日、世間で話題になったニュースがあった

生後まもなく病院での取り違えによって、A家の赤ん坊aさんとB家の赤ん坊bさんが入れ替わった
60年の歳月を経て、A家の兄弟が取り違えに気づき、B家で生活していた者を見つけた
A家は比較的裕福で、兄弟みな(bさんを含め)大学へ行いっていた
B家は比較的貧しく、親の死後、aさんは大学進学を諦め、就職した
aさんは、育ての親によく可愛がられたと語っており、取り違えの事実が判明した後でも、まずは育ててくれたことの感謝があると述べている
その上で、aさんは、A家の両親は既にどちらも亡くなっているが、今後A家の兄弟と失った期間を埋めていきたい等の趣旨を述べて、戸籍をA家に移した



この事件は、A家で既に行われた遺産相続の帰趨などの法的問題も話題になっている

しかし、ここでは、日本ではどうやら血の繋がりが非常に重視されているのではないか、という点のみについて書いておきたい

以下は、同情や憐憫等の感情は差し挟まないでおくが、同情や憐憫を批判しているものではない


この事件において、取り違えられたaさんは、何はともあれ、B家で愛情を注がれて育ったようである
つまり、B家自体で虐待を受けたことはない

一方、A家の(実の)両親とは、結局一度も会うことはなかった
つまり、実の両親に現に育てられたことはない

すると、aさんにとって現に育てた親としては、B家の育ての両親以外には知らない

それでも、取り違えがあったとき、aさん自身は結果的に移籍を希望した

取り違えがあったのだから当然ではないか、という意見もあろうし、今回はたしかにそうも言える


ただ、事情が少し違った場合に、当の本人がどう思うかは、日本の養子縁組制度に衝撃を与えるかもしれない

例えば、

子供ができないけど子供を欲しがっていたB'家の夫婦がいた
A'家にa'さんが生まれた(当時生後2日で、まだ病院にいるとする)
A'家の両親とB'家の両親は話し合いをして、a'さんをB'家に預けた
6ヶ月後に裁判所の許可を得て、養子縁組し、A'との親子関係をなくすことにした
B'家では、a'さんが16才のときに、B'夫婦が亡くなり、a'さんは大学進学を諦めて就職した
その後、60才で実は血縁関係が無かったことがわかり、a'さんの実の両親はA'だとわかった

という場合

このときは、取り違えではない
A'夫婦とB'夫婦は納得の上で、a'さんを養子縁組している

しかし、a'さん側からすれば、前述のaさんと同じ気持ちになる可能性はないのだろうか?
生後まもなくB'夫婦の元で育てられて、養子縁組をしたため、a'さんはA'夫婦は知らない、という点はaさんと共通させている
B'夫婦はa'さんを可愛がって育てるだろう点もaさんと同様である

a'さんも、実の(血の繋がりのある)両親であるA'夫婦に会ってみたい、会ってできれば移籍したい、と思うのではなかろうか?

そのような事案はまだない
まだないので、憶測に過ぎない
だが、もしそのようなa'さんが、aさんと同様にA'夫婦を捜し求めるならば、日本では育ての親よりも、血の繋がった親というのが子供にとって大きな存在なのだという結論になる

そのときは、近年新たにできた特別養子縁組(a'さんの場合)が日本の親子の実情に合っていないということにもなりそうである
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