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風見鶏の寝言064

「悩めるメディア





以前、私はネット上に多数存在するまとめサイトにつき、以下のような紹介をした

即ち、単なる2chスレの紹介に見えて、実はサイト管理者がけっこう意図的な編集を加えているという事実である

そのため、同じ元スレを紹介している多数のサイトを比較すると、同一のスレを元ネタにしていても、その編集の仕方によって、管理人の意見・主張が透けて読者に伝わるように細工されているという現象があった


詳しくは風見鶏の寝言043「知らぬが仏?」

しかし、これは誰でも自由に運営でき、かつ、原則として自由に運営方針を決められるまとめサイトにおいては、何らおかしくも不思議でもない。

むしろ、生じるべくして生じた現象であると捉える方が素直とも言えよう

そこには、対象として選択する情報に対する取捨選択の自由性と、選択した情報に関する編集の自由性が存在している。

(人は、自由にものを選び、自由に扱ってよいといえば、自づと自らの考えに近いものを選び、自らの考えに沿うように編集をしがちなのかもしれない)

この2つの自由性は、裏返せば、管理人のなすがまま(恣)を意味するのである

即ち、読者に伝わってくる管理人の主義主張に関しては「中立性の保障はない」ことを意味する。

繰り返しになるが、まとめサイトの場合、これが「自然の状態」なのであろう。




これに対して、通称「マスコミ」と呼ばれる情報媒体の「自然の状態」は如何様なのか?

彼らは、知ってか、知らずしてか、これまで2つの相対立する表現を使ってきた

メディア(媒体)」と「積極的な情報発信

である

メディア(媒体)性を重視するならば、自らは可能な限り編集を加えず、取得した生の情報をそのまま流すことになる。

逆に、

積極的な情報発信性を重視するならば、自らの企業全体としての立場を明らかにした上で、その主張に沿う情報を、適するよう編集して発信することになる。

※テレビについては、放送法により内容が中立性を保つよう義務付けられるが、新聞は同等の義務はない。


この2つの方向性はマスコミにとっては究極の選択であった可能性がある。

メディア性に比重を置くと、記者会見等で発表された情報についてはどの企業でも同じになり、端的に各企業の発信するサービスの価値の差は入手した情報量の多少一本に帰着していくことになる。

同じ内容部分は、購読料・視聴料に差を付けにくい以上、価格の差も、情報量の大小に比例していく

しかし、これでは、新聞もテレビも、多数の企業が競争できる環境ではなく、経営存続が怪しくなるおそれすらある。


一方、積極的な情報発信性に比重を置くと、自社の立場に沿う企業からスポンサーとして支援・支持されやすくなる反面、許容できる編集の程度の限界が問題となる。

編集の程度が常識的に中立性を保っていると認めうる一定限度を超えてしまえば、メディア性は著しく失われる。

それは情報収集が得意な1人の市民が、ブログの代わりに(企業という資本の力により)自分の意見・主張を書き綴った紙や映像を売っているのと等しくなる。

さらに難しいことに、読者や視聴者は、客観的に編集の程度がどのくらいなのかを元情報と比較してチェックすることができない

すると、ひとたび編集が入りさえすれば、程度が小さくても尚、メディア性に対する信用は急激に落ちるおそれもある。




「マスコミ」各社は、その誕生以来、ずっとこの2つの相反する表現を、どの辺りでバランスさせるかという課題を抱え続けて来た

個人での情報収集が困難だった時代には、情報量さえ多ければ、それだけで一種、特別な存在だった。

そこで、明白に「積極的な情報発信性」に比重を置き、特定の主義や主張を伝えるものとして開き直った存在になることに、存続の活路を見いだすことも可能だった。

しかし、現在マスコミを取り巻く情報環境は変わりつつある気がしている

情報収集の色彩を持たない端的な主義主張の場として、ブログ・SNSにおける日記等が登場して整備された

情報収集の色彩を備えつつ、収集者の主義主張をも含ませる場として、2chスレやその他の巨大掲示板のまとめサイトがその座を占めつつある

これらがほとんど無料で読める現在、マスコミ媒体情報は、有料な自社サービスとこれらの無料サービスとの差をどこに求めるべきか、今まで以上に突きつけられていると考えられまいか


問題は、今のマスコミ各社が、この問題に対する各社なりの答えを示せているのかという点である。

私は、彼らが、彼ら自身の「自然の状態」が何なのかはっきり掴め切れずに、時代の波に流されつつあるような気がしてならない。

謂わば、遭難状態である。

この先、彼らがどこへ向かうのか、見守ってみたいと思っている。
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