「IT化授業前編」
昨今、一部で導入され始めたという
パソコンを使って行う学校の授業について。
学校といっても、IT関連の専門学校や、
パソコンの使い方の習得を目的とする
パソコン教室などは、ここでは除外する。
一般的な義務
教育小・中、および、標準的な高校あたりを念頭においてみたい。
また、
パソコンを使っての授業といっても、教師側のみが使うのか、生徒側のみが使うのか、両者とも使うのか、その態様は何種類か想定できる。
そうすると、丁寧に検討するならば、具体的な利用方法を念頭におかなければならないだろう
では、単刀直入に、そういう授業は是か非か?
少し具体的に考えてみたいと思う。
Scene 1:小学校の黒板が大きさはそのまま、タッチパネル液晶ディスプレイになった場合
これはパワーポイントのようなものではない
パソコンのペイントや、携帯やスマホに附属している手書きメモ帳のように、指あるいはタッチペンのようなものでディスプレイ上をなぞれば、黒板と同じように文字が書けるというシステムの場合を考えている。
黒板といえば、昔ながらの濃い緑っぽい色で、チョークで書くものである
一方、塾や予備校では、ホワイトボードというところも少なくない。
ホワイトボードの導入は既に数十年前から行われており、さほど大きな批判があるわけでもない。
では、黒板から、ホワイトボードを飛ばして、
タッチパネル式液晶ディスプレイになったとしたら、受け容れがたい難点はあるだろうか?
比較すれば、液晶ディスプレイの長所としては、
*黒板とチョークの場合と異なり、肺がんの原因だと指摘されるチョークの粉が舞うことはない
*手に粉がついて教材が汚れることもない
*黒板消しで消したあとが綺麗に消えなくて、重ね文字のようになり見えにくいということはない
*恐らく、黒板の重さと
タッチパネル式液晶モニターの重さはそこまで変わらないし、ひょっとするとディスプレイの方が軽いかもしれない
*ホワイトボードとマーカーの場合と異なり、誤って服にマーカーインクが飛ぶこともない
*マーカーのインクの出が悪くて文字が薄く見にくくなることもない
*文字の色を変えたり、太さを変えたりする操作ができれば、大事なポイントの強調が楽になる
*チョーク代・マーカー代は不要になる
短所としては、
*授業前に予め起動しておかないと使えない
*フリーズすると再起動の間使えない
*日光が差し込んだり、室内が明るかったりすると、ディスプレイが見にくい可能性がある
*全教室で一日中使用すれば電気代が嵩む
*
タッチパネルにすると画面(ディスプレイ)の強度があまり強くならず、生徒がボールや掃除用具で破損する虞があり、破損するとしばらく使えない
*ディスプレイが発熱するため、夏場は室内が余計に暑くなる可能性がある
このうち、チョークの粉やマーカー汚れ・チョーク代やインク代については、教師および学校側のメリットである
一方、生徒側が享受し得るメリットとしては、文字のかすれ・黒板消しの不良で重ね文字化する現象が減るという点があるくらいである
しかも、短所のうち、授業中にディスプレイが使えない点、明るいとディスプレイが見にくい点、室内が暑くなる点は、生徒にとっては、黒板より不便になる点である
こう眺めると、生徒側としては、黒板から
タッチパネル式ディスプレイに変わっても、便利になるとは言い切れない
つまり、
黒板からディスプレイにしても、さして生徒のためにはならない、ということになる。
では、次に生徒側が
パソコン類を使う授業はどうだろうか。
後編は
こちら
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