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風見鶏の寝言076

「IT化授業後編」



前編はこちら

前回、Scene 1の例から、教師側がタッチパネル式液晶ディスプレイを使う授業を考えた

結果的には、学校側のメリットがありえたとしても、生徒側のメリットはさほどないという結果となった


では、生徒側がパソコン類を利用する場合はどうか?

Scene 2:生徒がノート型PCまたは、タッチパネル機能登載のタブレット端末を利用し、先生は従来通り黒板を利用する場合


Scene 3:生徒はScene 2と同様だが、先生もタッチパネル液晶ディスプレイを利用する場合



このとき、Scene 2と3に共通する長所としては、

*全ての授業ノートをパソコン類で取るならば、何冊もノートを持ってくる必要がなくなる
ノート代が不要になる他、小学校では「ノートを家に忘れた」という忘れ物対策にもなる)

ノートが、文書ファイル形式ならば、後から聞き漏らしたことを補填したり、大幅に書き加えたりする操作が楽になる
タッチパネルを利用したノートを画像ファイル形式として保存する場合でも、挿入や編集は十分可能であろう)

*生徒どうしでノートのデータを共有することで、書き写す時間が不要になる

タッチパネル登載のタブレット端末に指やタッチペン等でノートをとるならば、文房具類が不要になる
(紛失や手で触ったときの時のこすれ・にじみ、さらに手の接地面が黒く汚れてしまうこともなくなる)

*図形描画アプリ等があれば、ノートに円や四角形・三角形等の図形を書くのが速くなる

*各生徒にパソコンの各種パスワード設定の指導を徹底すれば、取り違いや盗難対策に役立つ

Scene 3の場合のみ享受できる長所としては、

*算数や数学・歴史・理科全般等、図形類や史料・画像や図を多用する科目では、予めデータ化して生徒に配付し、授業では教師も生徒も当該データファイルを閲覧すれば、教師の板書時間と生徒の書き写し時間が短縮できる


一方、短所としては、

授業を聞きながら、鉛筆で素早くかつ整った字を書く訓練や、手早く定規を使って図形を書く訓練の回数が大幅に減る

*パソコンでノートを取る際、図形描画や図・絵の挿入方法等、かなり広いパソコン知識がなければならない
(また、教師もパソコン類の扱いに関する生徒の質問に対応できるようにしておかなければなるまい)

*文書ファイル形式のノートの場合には、タイピング能力がなければほとんどノートがとれなくなる

*教師側から、授業のノートをとっているのか、附属のゲームアプリで遊んでいるのか見分けがつかなくなる

*日光が差し込んだり、室内が明るかったりすると、ディスプレイが見にくい可能性がある
(窓際の生徒は自分のパソコン類の画面が著しく見にくい可能性がある)

*ノート型PCやタブレット端末を生徒に購入させるならば、生徒側はノートや文具類より遙かに高い金額の負担となる

*特に文書ファイル形式でのノートを取る者が、家でもパソコン類でしか勉強しなくなると、筆記速度が全般的に低下する虞がある
(画像ファイル形式でのノートの場合は、現実の紙面上での筆記に近くなれば筆記速度の能力はそれなりに確保できるかもしれない)

*データファイルの配付をする場合、それに応じたホームページ等の開設設置など教師に教室での教育以外に更なる技術を求めることになる

*データファイルの配付をする場合、生徒は事前にダウンロードをしておく必要があり、忘れると教室でのネット接続やWifiが利用ができない場合は、授業についていけなくなる虞がある
(逆に教室にネット・Wifi設備を設置した場合は、授業直前にダウンロードが集中する問題が生じるようである:参照

*ノートをPCにのみ保存していると、フリーズやバグでデータを消失する生徒のトラブルが生じる虞が高い
(気に入らない生徒のノートデータを抹消する行為等、いじめの端緒になりうる)

*特に小学校などの場合、パソコン類の画面や端子部分・SDカード等の記憶媒体の破損が生じやすく、修理費用が嵩む

*各生徒の机にコンセントを設置するならば、教室中を配線が行き交うことになる
(逆にコンセントを設置しない場合、生徒はパソコン類のバッテリーが切れると、ノートが取れなくなる)


今、思いつく限りはこのようなところであろうか。

改めて見返してみれば、

長所については、ノート・文具類が不要になる点で持ち物が軽くなる点、および、ノートの編集が楽になる点に、集約されるだろう

パスワード管理の点は、今までのノートや文具類より遙かに高価なものを使うがために登場するものである

つまり、ノートや文具類のときにはそもそもそのような気遣いはほとんど不要だった以上、ノートや文具類を使うときより便利になったとは言い難い

また、データの配付といっても、どのみち各種教科書や資料集・図説は購入することになるため、そこまで大きな利便性の向上とは考えにくい

短所については、かなりの点が、これらのIT化授業をスムーズに行うためには、教師・生徒の両者が授業の前提として、パソコンの取扱につき基礎的な知識を習得済みであることの必要性を物語っているように思われる

逆にいえば、習得済みであれば解消される短所も多い

また、生徒がパソコン類を使うことで、鉛筆や消しゴム・実物のノートに触れる機会が減るという点は、必ずしも致命的な問題ではないように思われる。

どのみち授業を聞くだけで全てを理解し身につけられる者は少ない

ならば、授業が実物のノートで行われていても、パソコン類で行われていても、生徒は授業外で相当量の学習時間を割くことになる

つまり、筆記や図形描画の経験は、主としてその授業外の勉強時間で蓄積されるものであり、授業中の経験量はもともと僅かであるから、さほど大きな影響は与えないと見ることは可能であろう

そこで、これらの比較においては、使用する教師や生徒がITリテラシーに精通し、パソコンの取扱になれているならば、若干、長所の方が多くなりうる

ただし、教師側もパソコン類を利用する場合、生徒側がパソコン類を利用する場合の問題点の他に、Scene 1で見た欠点も併存することになる。

そのとき、長所と短所はプラスマイナス・ゼロの状態に近い。

そうすると、現時点では、教師と生徒が共にパソコンの取扱になれているとはまだ言えない以上、まだ短所の方が多くなるのではなかろうか

時期尚早であるとすれば、今後導入を試みた授業では様々な問題点が浮かび上がることになるかもしれない。
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