「机から落ちたノートの
実験」
学校の机の端からノートを落とすと、地面に落ちた物体は裏返っている。
机の高さが約70cmのとき、机の端から徐々にせり出したノートの部分は重力に引っ張られる力がかかる
しかし、下図のように左半分はまだ机に乗っているため、右半分だけが落下しようとするため、回転する

結果、70cmの机から地面に落下するまでに、ノートはちょうど半回転して、裏返る。
ここまでの話は、どこかでも見たことがある。
実際に、約70cmの高さを用意し、ノートの代わりに、microsoft officeのパッケージの箱を代用して
実験してみる

70cmの高さから、指で徐々にずらして落とす場合、
見事に25回中、25回が裏返った(100%)
ところで、この裏返り現象は、重心の右半分と、左半分で、落下運動を始めるタイミングが大きくずれることで起こる
そこで、疑問が生じる
机の上から弾き出すことで、重心の左右でほぼ同時に落下運動を始めるようにするとどうなるか。
回転は生じず、裏返ることなく落ちるはずである。
つまり、机の上から指で弾いてみる。
すると、25回中、確かに25回とも表のまま落ちた(100%)
納得である。
次に気になることは、
もっと高くから落としたら、さらに回転して表になるか。
もっと低くから落としたら、回転があまり起こらずに、表になるか。
つまり、上図の高さh[m]を変えてみる。
その前に、物体が70cmの高さから落下するのにかかる時間は何秒か?
物理の法則によれば、
落下距離[m]=1/2×重力加速度×時間の2乗[s・s]、が成り立つ
落下距離=0.7mであり、重力加速度=9.8[m/s・s]である。
0.7=1/2×9.8×t・tである
⇔ t=(√7)/7[s] とわかる。
2/7[s]より僅かに長い時間ということである。
h=0.47m(47cm)のとき
これも、25回中、25回とも裏返った。
このときの落下時間も上と同様に求めると、
t=(√4.7)/7[s]とわかる
ほとんど2/7[s]である
すると、だいたい2/7[s]辺りだと半回転して、裏返るようである。
ならば、2倍の4/7[s]くらいかかる高さならば、一回転して表になってくれるか。
4/7[s]かかる落下距離はいくらか。
上の式に入れれば、落下距離h=1/2×9.8×(4/7)×(4/7)となる
⇔ h=1.6[m] となる(160cm)
では、早速160cmを試してみるが……
47cmや70cmのときのように、地面にペタっと着地しないため、見分けにくい。
結果、25回中約10回表になるものの、ぱっとしない。
そこで、160cmの前後±10cmくらいの場合もやってみる。
h=1.47m(147cm)のとき 25回中、表14回、裏11回
h=1.72m(170cm)のとき 25回中、表6回、裏19回
こんな単純な計算なのに、なぜなのか?
気になるところである。
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