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風見鶏の寝言089

「ゴジラの試練」



ゴジラ映画の行く末はどうなるか。

1954年に、東宝から生まれた世界的大怪獣ゴジラは、その後多くの作品を残してきた。

一般的には大まかに3期に分けられているようである

第1期:1954年初代ゴジラ~メカゴジラver1の2機目まで
第2期:1984年ゴジラ~デストロイアまで
第3期:ミレニアム以降、メカゴジラver3を中心とした期



その作品の方向性の変遷としては、第1期初期(およびヘドラ)が大人へのメッセージ性を強く含んでいたのに対して、第2期、第3期となるにつれ、次第に子供向けのエンターテインメント性を前面に出すようになっていった

しかし、メッセージ性が弱くなっても、ゴジラ映画は一貫して原子力や放射線・放射能物質との関連が強い映画となっている。

それは例えば、

初代ゴジラは、ジュラ紀の普通の恐竜類が、ビキニ環礁水爆実験等で、密かに活動していた海底下の生息地を奪われて海底下から出てきたもので、放出された大量の放射性物質と放射線を浴びてゴジラとなったと説明されていた(1954年「ゴジラ」・「ゴジラの逆襲」より)


そのため初代ゴジラは、その足跡から大量のガンマ線が観測されていた

また、モスラ初登場のときも、小美人2人は、インファント島の近くで原爆・水爆実験をこれ以上やらないで欲しいと話している。(1961年「モスラ」より)

第2期ゴジラ以降は、微妙に説明を変え、大戦中にラゴス島で目撃された恐竜が、1954年のビキニ環礁沖核実験時に大量の放射線(それ以降はベーリング海沖で沈没したソ連の原潜から漏れ出る放射線)を浴びてゴジラとなり、エネルギー源となる核分裂物質を求めて、原潜や原発等を襲うようになったと説明する。(1991年「ゴジラvsキングギドラ」より)



浜岡原発をモデルとしたと思われる原発を破壊し、中の原子炉から放射性物質を吸収するシーンがある。

原子炉を求めて、敦賀原発や今話題の大飯原発・東海村原発へ向かうシーンもある。(1984年「ゴジラ」・「ゴジラ2000」より)

デストロイアとの戦闘時は、体内にある原子炉(nuclear reactor)の温度が制御できずに上昇した結果、1200℃に達したとき、メルトダウンする(「ゴジラvsデストロイア」より)

また、ゴジラの発する放射線が、カメラフィルムをダメにするという設定もある。(「ゴジラ2000」より)



2004年、ゴジラ映画の製作は第3期が終了したとされているようであるが、第4期以降も可能性はあるとするようであり、製作を完全にやめたつもりでもないらしい。

しかし、果たして今後ゴジラ映画を日本で制作することはできるだろうか?

ゴジラ映画では、上に挙げたように、放射線や放射能物質に関する描写、原発や原潜を破壊する描写が多かれ少なかれ避けては通れない。

第3期終了まで、放射線や原発の描写はゴジラと不可分の要素として、セットで登場し、特段の抵抗感なく受け容れられていた。

しかし、現在は、2011年に福島で某電気会社の杜撰さから凄惨な事故が起こり、その事故により生活をメチャクチャにされた国民が多数する。

その後も事故を起こした原発の解体は思うように進んでおらず、予定された40年越しの廃炉が予定通り進行するか疑問を持つ国民も少なくない。

そうであれば、今は、今までと全く同じトーンで新たなゴジラ映画を作ったとしても、事故の被害者と中心とした多くの人々の神経を逆なですることになるであろう。

それは、事故を想起させるという理由かもしれないし、放射線の描写が深刻さに欠けて不真面目だという理由かもしれない。

国内を舞台にしたゴジラ映画を製作するならば、これらの批判に立ち向かう覚悟で作るか、ゴジラの設定を大きく見直すことで批判をかわすか、いずれかの判断を迫られることになる

要するに、今後数十年間、国内でゴジラ映画を製作するためには、大きな壁が存在する

国内での製作を諦めるならば、今回のアメリカ版ゴジラのように、海外とのタイアップを活用することになろう。

アメリカ版ゴジラ2014では、ゴジラはそもそも放射性物質を食べて棲息していた古代生物であり、ビキニ環礁水爆実験はそのゴジラを鎮圧するためのものだったという設定に変更している。

しかし、それでもやはり放射線や原子力との関連は避けられない。

今後、続編が大々的に製作され続けるならば、これらのアメリカ版ゴジラが、事実上は第4期に該当するかもしれない。


いずれにせよ、今、ゴジラ映画は60年来の歴史の中で、最大の難関、または、変容期を迎えているのではなかろうか。
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